まず、ひとそれぞれ。それを忘れないように。
ガンの状態も、見通しも異なれば、治療方法、治療ペース、副作用も1人として同じ人はいません。家族、仕事・会社、お金の状況も違うわけですから、ネットに書かれていることをすべて信じる必要はありません。その人にとってはそうなんだ、と割り切ることが必要です。その上で、私の状況を参考までに共有します。
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ガンを宣告された時、どう思った?
うろたえる人、目の前が真っ暗になった、なんて話ばかりがよく聞かれますね。ホントにそうかね?と思っています。表に出ている内容なんて、読み手に都合のいいものばかりですよ。そうでない人も相当数いると私は考えています。
私の場合は、
ふうん、そうなんだ
程度の感覚でした。麻痺していたとも言えますが、それまでの人生を振り返って、生き続けることにさほどこだわりを持たなくなっていたので「それならそれでいいや」と悟っていた部分があります。まあ、家族のことは頭をよぎりましたが、、、
ガンになると、考え方とか変わるの?
世の中に感謝、生きていることに感謝するようになりました。
始まりはともかく、事実を受け入れた後はやはりいろいろ考えました。それまで大して波乱のなかった人生だった人でも、まじめに死と向き合うことになります。ステージによってその深刻さは異なるでしょうが、死と向き合うことだけは例外なくガン患者全員が避けて通れない部分です。いろんな判断を行う際の、最終的な比較対象は常に「死んでしまうこと」とに変わります。その意味で、精神的にかなりタフになります。
具体的にはどうなの?
私の場合は今後の見通しも想定(予測)でしかない状態で治療に入ったこともあり、まず手術の段階で(物欲、金欲、愛情などの)憑き物がとれました。生存率を意識して、5年後の自分はイメージしない(つまり生きていない)ことを念頭にいろんなことを考えるので、一つ一つのイベントを大事にするようになりました。全体としてゆったり、おおらかな方向に性格がかわりました。(せっかちなのは相変わらずですが)
楽しく生きよう、それでいいじゃん
という考えを常に根底に持つようになりました。
本当に平気なの?
平気なわけないでしょ。
ただ24時間死ぬこと考えていたら潰れますよ。結局、
普段は意識しない
ということでごまかしているに過ぎないわけで。でも、ここまで8年とか引っ張るとそんな重い考えなんて気にならないほど日常に埋もれます。ということで日々過ごしています。やりきれない気持ちに襲われることもないわけじゃないです。でも、生きてりゃそれでいいじゃん、と言い聞かせています。