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【大腸がん治療】抗がん剤治療の副作用2 (日にちごとのまとめ)

投稿日:2019年11月23日 更新日:

抗がん剤治療の副作用は人それぞれです。

私の場合における治療時の副作用の全体像は以前にまとめたとおりです。
ここではもう少し具体的にリアルに説明します。

副作用の観点では2週間サイクルで考えます。ここでは治療開始から終了までの状況をまとめます。私の治療日程として、火曜日が初日となっていることに注意。

実際の治療時の状況、思うところに関しては「リアルなブログ」にサイクル毎に1記事としてまとめていますのでそちらも参照してください。

また、症状ごとのまとめは別記事を参照してください。

現在の治療

FOLFILIを4週間に一度のペースで実施しています。

治療初日は通院で点滴にて抗がん剤を投与、その後ポータブルのポンプを利用して46時間の持続注入を実施。治療開始の2日後(翌々日)のお昼頃に終了します。

日にちごとのまとめ

初日

治療開始冒頭にまず、吐き気どめの経口薬を飲みます。(これが効いているかどうかは不明)

まず胸に埋め込まれたポートの確認を実施した後、点滴治療は吐き気どめから開始。もちろんまだ何も起こりません。

本番はこの後。イリノテカン + レボホリナートを同時点滴、これが2時間続きます。

初めてこの治療を行ったときは、注入後しばらくは違和感を感じた。うまく表現できないけど、視覚に影響があり、ぼやけたり光がまぶしかったりした。最近は慣れたもので、あまりそういうことがなくなった。(気にしていないだけかも)

30分くらいすると、睡魔が襲う。昔は寝ることはほとんどなかったけど、最近はその2時間中の半分くらいは寝落ちしているようだ。吐き気どめの点滴の作用なんじゃないかと勘ぐっているけど定かでは無い。ただ、この頃から徐々に気分の悪さが始まる

イリノテカンの副作用として「体のバルブ(穴)が開く」と当初説明された。汗、鼻水とか場合によってよだれなんかも、結構ダダ漏れになるらしい。私の場合は汗ですね。特に暑いわけでもないが、ド汗をかく、特に下半身。私はそこまでではないが、人によっては着替えが必要なくらい汗をかく場合もあるようだ。

水分を点滴で強制的に入れているせいもあるだろうが、とにかくトイレが近くなる

この2時間が終わる頃には結構具合悪さはキてます。引き続き5-FUの注入。点滴である程度の量の治療液をこの場で注入した後、持ち帰りポンプに切り替えセンターでの治療は終了

かつては終了時の血圧が170を超えたことがあり、帰宅ストップ(下がるまで待機)させられたこともあったけど、最近はそれはない。(高くても140、いつもだいたい120台くらいで終われるようになった)

センターでの治療終了後はいつもかならずトイレ(大)に行きたくなる。体の癖なのか薬の副作用なのかは不明。でもこの時点ではまだ正常。(下痢・便秘なし)

帰宅もまた一苦労。

久しぶり(4週間ぶり)の具合の悪さを思い出しながらなので、気分も沈みながらとぼとぼと歩く。駅までがやたら遠い。真夏の時期などはただでさえ汗をかくのに副作用で滝のような状態になる。駅につくころには洋服びしゃびしゃです、ほんと。

自宅に到着するのが大体午後3時前後。具合は悪いが、とにかくお昼を食べる。ここで食べないと後々とても辛い目にあう。一応、食欲はある場合が多い(ダメな時もあった)し、味覚障害もまだ出ていない。(つまり、味は普通)

この食事で一気に具合が悪くなる。(それでも食べないと、翌朝まで何も口にしないことになってしまう)

17時頃を目安に寝る。こんな時間に?と思うかもしれないけど、具合悪くて辛くていられない状態になるので、この後数日間は隙あらば寝るようになる。(つまり、この日の晩飯はなし)

トイレが近い

私の場合はほぼ1時間毎にトイレに起きる。つまり、朝まで相当回数起きるわけだが、それでもすぐに眠れる。

とにかく暑い、暑い

だいたいこの初日の夜が発汗のピークのようで、夜中までの間にもう一汗の大騒ぎがある。

二日目

朝起きるのが辛い。もっと眠っていたいと体が求めるが、会社だ。前日の午後3時4時頃に食事をしてから何も口にしていないが食欲はない。水分を採ると、いくらか落ち着く

胸に点滴ポンプをぶら下げたまま会社に向かう。始発で行くことにしているので、座れる、眠れる、それで救われている。

だいたい声がかすれ始めるのがこの日。薬の入り始めと抜け終わり頃には声がかすれるため、なんとなくタイミングがわかってくる。

食欲はないけど、何かは口にしないと後が大変。なので朝食をしっかり食べる。味覚は徐々におかしくなってきているが、気にしている余裕はなくなっている

お昼もそう。食欲はないが、無理やり食べる。

ずう〜っと具合は悪い。薬液は入り続けているのでどんどん調子は悪くなっていく。でも、会社なので忙しさに時間を忘れることが実は救いになっているという変な状態。

とにかく飲む、飲む。この時期に限らないけど、1日2リットル近くは水やお茶を飲み続けています。トイレが近くて、体が脱水するので水分を取り続ける必要があるのです。

だいたいこの日を境にお腹がゆるくなってきます。

夕方、帰宅しすぐ食事、そしてすぐ寝る。

三日目

二日目より確実に具合が悪い。

この日からはもう味覚障害始まってます

5-FUが効いてくると粘膜への影響が始まるので、口の中が超敏感になります。ひどい時は少しでも硬いものを食べるのが辛くなった時があります。硬いものって?例えばパンの耳、信じられますか?カレーパンのざらざらは口の中にやすりをかけられているように痛いです。かつて辛味がダメになり、あのヤマザキのカレーパンでさえ、「辛くて」食べられないほど敏感になった時期もあります。(今は平気です)

粘膜への刺激が強く感じられ、食道・胃に恐ろしいほどの違和感があり、ここから「気分が悪い」という状態になります。よく言われる「気持ちが悪い」ではなく「気分が悪い」なのです。吐くことに繋がったりしません。この頃から終了時までひたすらこの具合の悪さと戦うことになります。

お昼頃にポンプ終了、針を抜きます。

投薬状態としてはこの時がピークです。(抗がん剤の血中濃度がもっとも高い状態)

私の場合は、大体半日後ぐらいに副作用の影響が最大化するようなので、三日目の夜が最悪の状態です。

朝・昼・夜は無理でも食べる。で、寝る。食事行為が最も辛いのがこの日の夜。

四日目

5年くらい前までは三日目の夜を越えると快方に向かっていたけど、最近はダメ。ダメダメ。つまり、最悪の状況はずっと続いている。起きるのがとにかく辛い。でも仕事という理由で頑張れる。

ガチで下痢状態が多く、本気で腸がカラになるような感じでお腹がゆるくなる。(定期的に腸を掃除できてこれはこれでいいかな、と考えてます)

具合の悪さに加えて、下痢と戦うのがこの日。脱水に拍車がかかるので、とにかくいろんなものを飲みまくる。

食事は楽しいと思っているけど、この時期はやっつけで食べる状態。前日よりはマシという程度で、胃はおかしくなったまま。

頑張って仕事をこなし、頑張って帰る。前日同様、晩御飯直後から本気でダメになり、あっさり寝る。死んだように寝る。

五日目

なんとなく峠を越えた気がするのがこの頃。最近はそれでもダメだけどね。火曜日が治療初日なので今日は土曜日に当たり仕事はお休み。2度寝3度寝をしようと思うが実際は朝9時頃には起きてしまう。食欲は相変わらず無し。口おかしい、胃おかしい、お腹おかしいはずっと続いたまま。

仕事は無いので休めるだけ休めばいいのだけど、早々寝てばかりもいられないため、具合の悪さをむしろ持て余している状態。元気があれば外出を考えるけど、実際は無理。終日無難に過ごし、早々に寝る。

六日目

これまでの経験では、この日(日曜かな)の朝がもっとも体重が減るタイミング。ろくに食べない状態で、下からは出てるからね。

そろそろ食欲が戻り始めるので、お昼ご飯からまともなものを食べようという気になる。が、口はおかしいまま。以前は、おじやや湯豆腐(&野菜)くらいしか食べられなかったけど、最近は結構平気。慣れたのか気にしなくなったのか。

それでも終日ゆっくり休む。夜はバタン、ではなく普通に就寝することができるまでに回復。下痢は終了してます。

七日目

月曜日、仕事です。でももう表向きは普通です。
声がかすれてくるので、実際に薬が抜けるのがかなり終盤だということを実感する時でもあります。

口はおかしいけど、胃はかなり回復。なのでとにかくハラが減るようになり、今まで食べられなかった分、がっつり食べたいという欲求が強い日になる。

ただ、具合の悪さや胃のおかしさが回復したというだけで、次の副作用が襲ってきます。抗がん剤により、正常な細胞もかなりダメージを受けます。特に白血球が相当数減るということで、感染症のリスクが高くなってきます。これがリアルに症状として感じられるようになってくるのがこの日。具体的には喉がおかしな感じになります。風邪を引いて喉が痛い状態というか、カラオケで歌いすぎた状態とか、とにかく「痛い」わけではないですが「かなり敏感」という状態で、意識して守る(マスクをする/気合をいれる)ことをしないと後が大変です。

実際、この時期に気管支に炎症を起こして辛い目にあったことが数回あります。

八日目

実際にはまるっと一週間後ということです。口の中と胃が少しだけ変な状態なだけで、その他はもう普通状態。ただ、感染症予防を忘れずに、という意識で過ごす日。

九日目

感染症だけ留意。その他はもう大丈夫。

十日目

感染症リスクもほぼ減ったと(自己判断)。この状態を持ってサイクル終了と考えています。

まとめ

実際には治療液が途中で変更(FOLFOXからFOLFILIへ)があったりして、ところどころは微妙に異なっていた時期もありましたが、全体的な流れは変わりません。治療による直接的な副作用は大体上にまとめたように10日間ほどのサイクルになります。

2011年の12月に私は抗がん剤治療を開始しました。そこから2017年いっぱいまでまるまる6年間、この治療を2週間サイクルで実施してきました。今思うと本当によくやってきたと思います。上記のごとく治療時の10日間は生活に影響があります。2週間サイクルのうち10日間副作用があるということは、本当に普通でいられる期間は残りの4日しかないという現実なのです。この頃は、残りの人生の半分は死んだ状態・使えない状態、とよく言っていました。(死ぬまでこの治療を継続するという前提)

おわかりでしょう、実際に隔週サイクルでこの治療をやっていれば、2週間という期間のうちの半分以上はまともな生活は送れないのです。これが抗がん剤治療を行なっている患者の実態です。

今は4週間に一回のサイクルです。2週間では体が回復しなくなりました。2018年頭から3週間に一度になったのですが、半年も経たないうちにそれでも回復しなくなり、2018年の夏頃から現在の4週間サイクルになりました。

今の4週間(28日間)サイクルでは、ダメな10日を除くと18日間(2週間半)はまったく普通の生活ができています。ちゃんとした週末が月に3回あります。これが地味に喜びだったりします。そんなことが喜びだと思える人生をみなさんはどう思いますか?

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